PCM2706のその後 [オーディオ]

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 前回石の取り付け向きを間違えて涙で枕を濡らしたPCM2706のUSBインターフェース基板です。気を取り直して改めて完成品を購入しなおしました。購入ついでに出品者様に無理を言ってPCM2706を1石有償にて譲っていただきました。これで前回購入分も復活できます。前回の基板は一部パターン剥離させてしまったので根性でリペアすること考えていましたが、届いた箱の中身にはなんと新品の基板が一枚同梱されてました。もはやなんと言ってお礼したら良いやら・・・・ ありがとうございます。大切に使わせていただきます。先日おもわず京浜東北線に身投げしてしまわなくて良かったです(笑)

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 これでDAIが2枚になったのでPCM1781DACとAD1852DACをそれぞれ筐体実装しようと思います。やっと手持ち全てのDACが実働状態に出来そうです。のんびり楽しみながら作ろうかな。

ペルケ式FET差動プリアンプ [オーディオ]

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 ペルケ式差動FETラインプリアンプです。正確にはFET差動ラインバッファ基板と言うべきでしょうか。ペルケさん配布の選別品2SK170と定電流用の2SK30を購入して作りました。DC16V電源にて使う想定ですので、FETのドレインに側に使用する抵抗は3.3kΩとしました。回路はペルケさんのHP『情熱の真空管』のヘッドホンアンプ、プリアンプを作ろう!のコーナーを参照して下さい。出力カップリングコンデンサはASCのX335の1μFです。このカップリングコンデンサは現在私の一番のお気に入りです。艶やかな感じで他とは格が違うという気がします。もっと良いものがあればぜひ教えてください。デカップリングコンデンサは東信の低ESRの標準品です。抵抗はタクマンのオーディオグレードですが多分一般の金属皮膜抵抗で十分です。

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 早速私のメインDACであるTDA1543へ組み込みました。実装スペースを確保するためペルケ式ヘッドホンアンプはラグ版を撤去して先日作製したユニバーサル基板版へ換装しました。中央奥の基板が今回実装した差動FET式ラインバッファ基板です。今回は定電流用の-5V電源も実装しました。写真左端の小さなトランスの載った基板がそれです。近所のパーツショップにて一次側230V、2次側9V×2回路のトランスが400円で売られていたのでこんな用途にうってつけと思い購入しました。一次側100V入力で二次側を直列接続にすると約9Vが出力されてます。ブリッジ整流して-5Vを生成しました。これらの基板を実装したことによりOPA627を使ったラインバッファ一式は電源系もろとも撤去してます。

 音質ですが、エージング無しの初っ端からOPA627バッファの音を上回ってます。こりゃ凄い。大体初っ端で良いものはエージングしても良い音です。OPA627でも凄く良い音と思っていたのに・・・・ 恐るべし! どんな感じか具体的に言うと、音の各音域のバランスはOPA627と近くボーカルが前に出る感じですが、高域は若干軽めの爽やかな感じとなりシンバルが心地よい響きとなります。低域は力強さが増して愛用スピーカーIQ9がうなりを上げます。定位感がすこぶる良くて音の広がりや奥行きを感じ、もはやスピーカーがどこのあるのかわかりません。
 このことをペルケさんに伝えたところ、『こんな人を馬鹿にしたような単純な回路なのにいっっちょまえの音がします』とのコメントでした。私にはシンプル・イズ・ベストの典型だろうという気がしてなりません。この回路の実力を目の当たりにして、メーカー製の立派な回路って何なんだろう?と考えてしまいます。

 とりあえず今回はバランス出力なしで組んでみました。実力のほどがわかったので次はバランス出力版を組んでみたいです。バランス出力版はアンバランス入力の時にHotとColdの不帰還定数がボリュームポジションによって違ってくるので大丈夫か心配になりましたが、ペルケさん曰く実害はないので大丈夫とのことでした。安心して試してみようと思います。

悲しい結末 [オーディオ]


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 今朝、京浜東北線が人身事故により運転見合わせとなり午前休暇とるはめになりました。駅にはほぼ時間通りに電車が来たのですが、乗ったところで人身事故による運転見合わせのアナウンス。ホームでドアを開けたまままったく動きません。そのうち人がどんどん乗ってきてすし詰め状態となり、とうとう通常運転でも会社に間に合わない時間となったのであきらめて電車を降りて家に帰りました。朝からついてません。

 ところでHP『オーディオ機器を作る』にて出品されているPCM2706を用いたUSB式のDAIを購入しました。これは2200円でヤフオクで出品されており、安価にPC用のDACを作ることの出来るインターフェースです。早速組み立てたのですが、表題の通り悲しい結末となりました。なにが起こったかというと肝心のPCM2706の取り付け向きを90度間違えました(号泣) 最初に位置合わせをしたときの向きは合っていたのですが一点を仮止めした際にうまくハンダが付かず、一旦石を落としました。拾って再取り付けする際に誤って90度回転させて付けてしまったのです。(T▽T)

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 ルーペを持ってないので半田がうまくできたかどうかの確認はデジカメの接写モードを使いました。意外とこの方法は使えます。結構綺麗に出来てますが、この時すでに90度向きを間違えていることなどまったく気付いてなかったので楽勝じゃんと良い気になってました。で、4辺ともデジカメでブリッジしてないことを確認して次のパーツを取り付けようとHPの説明図を見たところ、なんだか石の文字の向きが説明図と違います・・・・(滝汗) ここでやっちまった~と気付きました。なんとか外せないかとこんもりハンダを盛って、半田ごてを2本使って取りましたが、取れた時には石が半分に割れてました。(@▽@;;; 自殺級の出来事です。

 今夜はヤケ酒のんで枕を濡らして寝ようと思います。今、頭の中で『北の国から』のBGMが流れてます。
『母さん、ぼくはPCM2706のない世界へ旅立とうと思います・・・・』
今日は電車は止まるしついてない一日でした。明日の朝、京浜東北線にふらっと飛び込まないように気を強く持とうと思います。
皆さん、おやすみなさい。ごきげんよう~


ユニバーサル基板でペルケ式FETヘッドホンアンプを作りました [オーディオ]

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 GW中にペルケ式HPAをユニバーサル基板で組んでみました。ペルケさんから購入した予備のFETとトランジスタが一組分ストックしたままだったのでもったいないので組んだというところです。全部で3組購入していたのですが2組はラグ板で組んでます。そのまま作ってもなんなので今回はユニバーサル基板で挑戦です。頭の中でざっくりレイアウトをイメージして下書きなしでいきなり組みました。ユニバーサル基板での回路作製はいろいろ作って慣れてたので何の問題も無くさくっと完成です。1週間ほどエージングして良い感じで鳴るようになりました。そのうちケースに入れるつもりですが、ラグ板版と比較して約半分の面積で済んだのでいままでより小型ケースでいけます。DACも組み込もうかどうしようか・・・ ちょっと楽しい悩みです。

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 使ったパーツですが抵抗はほぼ全てタクマンのオーディオグレード金属皮膜抵抗です。定電流回路周りだけ一般の金属皮膜抵抗です。出力用のカップリングコンデンサは緑ミューズの2200μFと前回と同じです。前回作った一般抵抗を使ったラグ板版との音質比較ですが私の耳では大差無く聞こえます。普通の金属皮膜抵抗で十分ですね・・・ 少なくとも私には。

 次に挑戦したいのはペルケさんの新作である真空管6DJ7を使ったミニワッターアンプですね。ヘッドホンアンプにも使える回路となってますし音質もすこぶる良いとのコメントですので興味深々です。できれば差動入力に挑戦してみたいです。
 あ、差動出力のDAC持ってないので差動プリアンプを作る方が先かな・・・ 近々作ってTDA1543のDACに実装しようかな。

やっとラダー型アッテネータ式ボリュームを作製しました [オーディオ]

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 以前紹介した23連4チャンネルのロータリースイッチを使ってアッテネータ式のボリュームを作製しました。震災以来、久々に秋葉原に出張って来ました。以前と変わらぬ賑わいでホッとした感じです。もはやホームグランドですね(笑) 使った抵抗は秋葉原の千石で買ったタクマンオーディオグレードです。以前は1本20円だったのですが今回行ってみたら30円に値上がりしてました。ちょっとショック(T▽T) 使った抵抗は全部で88本ですので2640円でした。ロータリースイッチが5000円強ですのでこのボリュームのコストは8000円弱です。抵抗比は以前ブログで書いているので検索して下さい。市販のラダー式のアッテネータボリュームの完成品が2万円程度ですのでいかに完成品が安いかを実感しました。作る手間と交通費を考えると完成品ってコストパフォーマンス高いんだなぁって改めて思います。折角なので作る過程も紹介します。

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 今回使った抵抗です。組み付けを始める前にまず抵抗別に選別しました。これを一本一本テスターで計って選別するだけでも一仕事です。この状態で子供が蹴っ飛ばしたらきっとしばらく家出します。

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 抵抗を付ける前に3端子のラグ板を2枚ネジ止めして、スイッチの端子とラグ板を配線しました。こうしないと抵抗をハンダ付けしたら信号線を接続するのが大変になります。使った線材はオヤイデで買ったΦ1mmの銀メッキ銅線です。この状態から抵抗をハンダ付けすること3時間ほどで完成に至りました。エージングのために9V電池を接続して各ポジションを5分程度通電しました。これで初期から多少はまともな音が出るのではないかと期待してます。

 早速TDA1543のDAコンバータ組み込みました。音の第一印象ですが、一作目の直列抵抗型のアッテネータボリュームと比較して音のクリア感が格段に良いです。全ての楽器やボーカルに艶が上乗せされた感じです。音のスピード感が増すというのが適当な表現なのかどうかですが実に小気味良い鳴りっぷりです。響き方が以前にも増して柔らかく伸びる感じです。心なしか中低域も締って力強くなったようにに感じます。気のせいかもしれませんが・・・・ この音を聞いてしまうとラダー型アッテネータは必須アイテムな気がします。パソコンオーディオ用なら23段も無くてもPC側で調整出来るので12段ぐらいでも良いと思います。その方が単純に安価ですから・・・ ま、段数が多くても高いだけで音質は変わらないので予算が許す範囲でお好みということで。今回はショーティングタイプのロータリースイッチを使ったのでボリューム切り替え時のボツボツ音もまったく出ません。かなりいい感じ♪ とにかくオーディオはまずボリュームから投資が正解ではないかと改めて思います。

TDA1543-DACにてASCの5μFカップリングコンデンサを試す [オーディオ]

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 以前紹介したTDA1543を使ったDACですが、ASCのX335の1μFをカップリングコンデンサに使って容量不足で泣いた記事を書きました。この時は出力バッファにOPA627を搭載して結果オーライとなったのですが、本来はカップリングコンデンサを5μFにすることが王道と思います。ですがX335の5μFって1個2000円ぐらいする高価なものです。王道のためと思って思い切って買ってみました。買ったのは実は東日本大震災の前です。なんでいままでインプレを記事として掲載しなかったかというと思った音がでなかったたためです。色々試してみましたが残念ながら私の力量不足か敗北宣言です。同じ型番なのに1μFのような艶やかな音が出ないのですよ。高かったのに無理して買ったのになぁ・・・  とりあえず見た目ですが上の写真のようにとにかく巨大です。素子の実装配置はコンデンサありきで考えないと基板に乗りません。

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 実装後の比較写真です。でかさがわかると思います。写真では電源のデカップリングコンデンサがミューズKZとなっておりリアクタンスを用いたローパスフィルタが非実装となってますが、組んだ当初は1μF版とデッドコピーでした。最初に試聴した結果は実に眠い音でまろやかな高域はまったく聞くに絶えませんでした。それでも我慢して2週間ほど通電しっぱなしにして何度も聞き込みました。全然改善しないのでデカップリングコンデンサをミューズKZにしてみました。少しは高域のキレ感が良くなるだろうと期待したのですがほとんど良くなりませんでした。仕方が無いのでローパスフィルタも撤去しました。これでも満足の行く高域にはなりません。相変わらず眠い音です。このまま3週間ほど聞き込みましたがほとんど変わらないので泣く泣く見切りをつけることにしました。残念です。高いパーツを使えば良いってもんじゃないとは知ってましたがこればっかりは買って試すまで値段相応かどうか判らないので仕方ないですね。

 話は変わって最近仕事が忙しくなってきました。これから6月末まではバタバタしそうです。このご時世忙しいのはありがたいのですがブログの更新頻度は落ちそうな予感。ネタ作りの時間も減りそうです。頑張って可能な限り更新しますので見捨てないで下さい。

続IQ9の地震対策 [オーディオ]

 なんと今日のニュースでNHKが東北関東大震災ではなく、東日本大震災と言ってました。勇気を以って多数派に合わせることにしたのかな? しばらく様子見しないと本当かわかりませんが用語を統一してもらえるのはありがたいことです。よくやったNHK! その調子で受信料の引き下げもよろしくお願いします。私は数年前のNHKの不祥事をちゃんと覚えています。受信料の引き下げを以ってNHKが良くなったか判断しようと思っていながらはや数年・・・・ そろそろすっきりしたいのですが。

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 前回の続きですが、IQ9に300×350×30mmのナラ集成材をボルト留めしました。裏面はボルトの頭が出っ張らないように一段ザグリを入れてます。写真は黒檀のインシュレータを介してセッティングしたものです。始めは床に直置きしてみたのですがひどい音でした。床が鳴ってぼやぼやの低域となり、高域は艶感が無くなり箱の振動を押さえつけて止めているような印象です。地震による転倒対策としては直置きは良いのですがこの音質ではがっかりです。床から浮かすためにインシュレータを使った方が良さそうです。しかもなるべく硬いやつ。直感では金属のスパイク型が良さそうな気がしましたが手持ちが無いためとりあえず黒檀のスパイク型インシュレータを使いました。ま、インシュレータ入れても転倒防止能力は十分期待できるでしょう。

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 このインシュレータですが去年の真空管オーディオフェアで売っていたわけあり品です。キズやカケがあるため一組300円だったものですが使用時はほとんど見えないのでまったく問題無しです。これを使うと床との間に30mmほどの空間ができますので低域のボワつきや床鳴りは解消されました。高域はというとかなり改善されましたが、以前の良さと比べるともう一歩かな。どうもスピーカーの筐体の接点はなるべく少なくして、もっと自由に振動させた方が良さそうです。今度はベース板とSPの間にインシュレータを入れても固定できる方法を考えて試してみようと思います。そのうちね・・・

 なんにせよSPはこれで倒れにくくなったので安心して仕事に行くことができます。

IQ9の地震対策 [オーディオ]

 相変わらずダラダラと続く地震ネタです。今回の大地震のメディアの呼称に思うことですが、東日本大震災と言っているところもあれば東北関東大震災と言っているところもあります。うっとうしいからそろそろ統一して欲しいところですね。東日本大震災が多数派のように感じますのでこちらになるのでしょうか。東北関東大震災と呼称しているのはNHK以外ではあまり見かけません。阪神淡路大震災の時は国会でこのように呼称すると決議されたという昔のNETニュースを見かけたので、そのうち国が審判するのでしょう。
 さて、本題のIQ9の地震対策です。今回の東日本大震災の時に辛うじて転倒を免れたIQ9ですが次も大丈夫という気はまったくしません。少しだけでも地震対策しようと思います。とりあえず地震後1週間は不安のため床に倒しておきました。

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 IQ9の底面ですが、下記写真のようにM8のねじ穴が4つほど付いてます。元々は付属の金属製スパイクを取り付けるためのものですが、今回はこれを利用してベース板を固定することにしました。

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 ベース板を何にしようか考えること1週間。加工性を考えると木材が楽です。スピーカーの土台ですから固い木が良いような気がします。硬い木というと仏壇に使われる黒檀や樫なんかがぱっと思い浮かぶところです。必要な大きさは横幅30cm、奥行き35cmほどです。ネット検索してみましたが上記2つの候補はサイズ的に見つかりませんでした。集成材でも良いと思いましたがこれも見当たりません。硬い木で検索してみるとナラの木が硬そうです。結局厚さ3cmのナラ集成材が比較的安価に手に入りそうでしたのでネット注文して待つこと一週間強で届きました。

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 上記写真が届いたナラ集成材です。代引き込みで2枚で4300円ほどでした。叩いてみるとカンカンした音がしていかにも硬そうです。良い感じ♪ 早速スピーカーの下に借り置きしてみました。

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 こんな感じです。サイズ的に違和感ありません。これならいけそうです。週末に穴あけ加工してベース板とスピーカーを固定してみようと思います。あとはオイルフィニッシュで表面を仕上げる予定です。何色にしようかな。黒系にしようかと思ってますが黒のオイルフィニッシュがなかなか売ってないんですよね。このままナラの木の色を生かしてクリアーのオイルフィニッシュでも悪くない気もします。どうしようかな・・・ 完成後は音質調整も楽しめそうです。スピーカーとベースを直付けにするか、スペーサーを挟むか、挟むなら材質は金属にするか木材にするか、ベースの裏にフェルトを貼るか・・・ しばらく楽しめそうでワクワクします。


PCM1781を使ったDAC [オーディオ]


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 今回はHP『オーディオ機器を作る』にて出品されているバーブラウン製のPCM1781を使ったDACキットです。こちらはヤフーオークションにて2200円にて出品されてます。コンパクト且つ簡単な回路で部品点数も少ないので組み立ても実装も楽です。私は自作はなるべく簡単な回路が好みです。なぜかというと複雑な回路を自作すると部品のバラツキやハンダ接点の増加等の要因かと思いますが、思ったほど高音質が得られないことが経験上多いからです。このキットは私好みです。購入後組み立てはしたのですがTDA1543を使ったDACの方が満足行くまで集中したかったので試聴だけしてほったらかしてました。

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 上の写真のように実装してみました。先日完成したと言ったばかりのDAC筐体ですが、舌の根も乾かぬうちに入れ替えです(汗) なんで入れ替えたかというと、理由は3つほどあります。
 一つめはアンプの周波数特性を測ろうと思ったからです。サブミリボルトまで測定可能なちょっと良いテスターを入手しました。これは液晶画面で簡易的に波形を表示できる優れものです。今まで普通のテスターと自分の耳だけがたよりでしたが、やっとそれなりにデータに基づいた評価ができそうです。早速TDA1543の波形を観察しました。

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 流石はTDA1543です。簡単なローパスフィルターを入れているだけですので波形が歪みまくっているのなんのって、知ってはいましたが改めてみると凄いですね・・・ オーディオは目的が2つあると思います。原音を忠実に再生するモニター用途と、純粋に音楽を楽しむ用途。音楽を楽しむなら波形が汚くても良い音と思えればまったく問題ないのですが、アンプの周波数特性の測定をするにはこれではいけません。この点、PCM1781は22kHzまで綺麗な正弦波形が出ます。これが一つめの入れ替え理由です。
 2つめですが、PCM1751キットは電源が+5Vとオペアンプ駆動用の±12V電源が必要です。オペアンプ駆動用の電圧は使用するオペアンプに合わせて任意ですが少なくとも±電源が必要です。この点、今回実装に使った筐体は両方の電源を搭載してます。配線を繋ぐだけでOKです。
 最後に3つめですが、私はUSB式のインターフェースを2個しか持ってないのです。そのうちの一つをこの筐体は実装してます。というわけで何の迷いも無くDACを入れ替えてしまいました(笑) この際だからしばらくPCM1781をいじって遊ぼうと思います。出力カップリングコンデンサとオペアンプ用のデカップリングコンデンサを取り替えて試聴しました。

 で、とりあえず先に断っておきますがこのキットの基板は端子の穴が小さいので一度付けたコンデンサの取替えはやめた方が良いです。取り外しはできても再取り付けが大変です。なかなか穴にコンデンサの足が入っていかないので半田ごての熱でコンデンサがあっちんちんになりました。こりゃ特性劣化しまくりだな~ 実際、取り替えた直後の音は実にラジオのような音で聞けたものではありませんでした。半日電源入れっぱなしにしてようやく聞ける音になってきました。

 今回試したものはオペアンプのデカップリングコンデンサが①東信のオーディオ用330μF、②は①に加えて同じく東信のオーディオ用1000μF、③は①+東信の低ESR一般グレード1000μF、④はMuseFGの47μF+東信のオーディオ用1000μF と4パターン試しました。このときの出力カップリングコンデンサは東信のオーディオグレード100μFです。(小さい容量持ってなかったのでつい・・・) 使用したオペアンプはLM6172です。私はローパスフィルターはこのオペアンプが大好きです。中低域寄りのどっしりした音がでます。
 試聴した結果ですが①は高域が良く出るのですが出過ぎで疲れます。音自体は綺麗で悪くないのですが・・・ そこでデカップリングの容量追加で重心が下がらないかと考えて上記②の1000μFを追加しました。結果は全然違いがわかりません。追加コンデンサを一般グレードにしたらどうかと思い、上記③を試しました。これも違いがよくわかりません。これはそもそもオペアンプのすぐ横に実装している上記①の330μFの音だと思い、④の構成としました。大変な思いをしてコンデンサ交換しましたがこれは効きました。高域が程よく押さえられてバランス良くなりました。最近デカップリングコンデンサは別銘柄を2個使って好みの音を作り出してますが、東信のオーディオグレードとファインゴールドの組み合わせは結構気に入ってます。

 次にカップリングコンデンサですが、とりあえず標準のMUSE・ESで良いと思います。というのはMUSE・FGや東進オーディオグレード、タンタルコンデンサを試してみましたが、取替えが大変でその後のエージング時間も長く必要なので取替え前の音を覚えてられないんですよね。評価用のクリップ付けて取替えを簡単にすればよいのですがあいにく持ち合わせてません。MUSE・ESで今のところ不満ないので良しとします。 あと、注意点としてオペアンプの出力電圧は常時ー4V強ですので、基板にプリントされているコンデンサの極性の向きは逆だと思います。振幅は最大で±3Vでしたのでとりあえずタンタルコンデンサを入れても向きさえ間違わなければOKです。故障モードはショートですのでお試しは自己責任で・・・

 肝心の音質のインプレですが良い音でます。ちゃんとした電源で鳴らすとまったく不満の無い存在感のある音です。私のTDA1543DACと比較して、音の出方は高域が強めで、且つバーブラウンらしい低域のボリューム感です。いわゆるメリハリのある音です。ドンシャリ系ですが、ドンもシャリも綺麗な艶やかな音で聞いてて気持ちが良く、良い意味での個性があります。安物のコンポが無理やり出しているドンシャリとはわけが違います。やっぱバーブラウンの音って俺好みだな~ これだけの音が出てキット価格2200円は激安と思います。私の手持ちのDACとしてはもう一つAD1852がありますが、こちらはモニター的な音質ですのでうまく住み分けできそうです。参考までに実測した周波数特性を載せます。PCM1781とTDA1543のものです。TDA1543の回路は、のんとろっぽさんのHPにて紹介されているリアクタンスを使ったローパスフィルタの付いたものです。終端抵抗は両者とも50kΩで測定しました。
 高域の出方が両者とも特徴的です。1kHz付近から盛り上がり始めるのですが、TDA1543は6kHz付近をピークに下がり始めて20kHzでは-1.5dBです。これに対してPCM1781は20kHzまで上がり続けて約1dBの上昇です。

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 私が思うにDACってそれなりの石を持ってこればあとは電源次第じゃなかと思います。ちゃんとした電源系を正しく結線する。これで十分に良い音が出ます。よくHP『オーディオ機器を作る』のYASUMASU2_99さんが、「このDACって良い音でますか?」という問い合わせをうけてうんざりされてみえるようですが、私に言わせればDACの音は半分以上電源系で決まるので聞かれも困りますっていうところだと思います。
 じゃあちゃんとした電源って何?というところと思いますので、私が良い音と思っている電源の回路図を公開します。PROST式のLEDレギュレータ電源回路です。こんな回路を毎回せっせと作ってます。回路図だけではわからない配線の取り回し等細かいノウハウもありますので作って試聴して考察しての繰り替えしです。いったいこの2年で何枚電源基板を作ったんだろ?


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 訂正  回路図のマイナス電源のトランジスタの向きが逆に記述されていたので図を差し替えました。

続ロータリースイッチ式アッテネータ [オーディオ]

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 先日紹介したロータリースイッチ式のアッテネータボリュームの続編です。これの重要性が凄いことを認識したのでもうすこしだけちゃんとしたものを作る気になりました。いかに金をかけずに良い音を求めるかをモットーとしてますが、重要なパーツをケチって貧乏くさいものを使い続けるのも趣味としてどうかと思います。そこで秋葉原の門田無線にて東京測定機材㈱製の4回路23接点式のロータリースイッチを買ってきました。これでT型のアッテネータ式ボリュームを作ろうと思います。スイッチだけで約5000円でした。T型と書きましたが、アッテネータにも色々な型があります。前回作ったストレート型や常時抵抗2本型などがあります。それぞれメリット、デメリットがありますので興味ある方はキーワード検索して調べてみてください。色々な方が丁寧に説明してくれてます。T型でステレオ用のボリュームを作るためには4回路のスイッチが必要となりますので4回路仕様を買ってきました。今回はスイッチを買ってきただけですので使用する抵抗値の選定までの紹介です。組み立て、インプレはまた完成後にします。

 ロータリースイッチにもいろいろあります。今回買ったロータリースイッチはショーティングタイプです。これは切り替え時に隣接する電極の両方と接触しながら切り替わるタイプです。ノンショーティングとの違いですが、ノンショーティングは切り替わり時に完全に接点がオープンとなり切り替えノイズ音が出ます。ボンっとかスピーカーが鳴りますのでちょっと嫌ですね。私が前回買ったものはノンショーティングでしたので若干鳴ります。自作なら許せることですが、完成品の製品として買ったらがっかりしますよね。というわけで今回ショーティングタイプですから切り替えノイズはないはずです。接点も銀接点ですので接触抵抗も低いはず・・・ 経時的な酸化による劣化を考えたら金メッキの方が良かったかな?? 
 あと、ロータリースイッチ買うときはエンドレスタイプを選ばないようにする必要があります。最低にボリュームを絞ったつもりが勢いあまって最大まで行ってしまっては恐ろしいことになりますので・・・

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 これが減衰量から割り当てた抵抗表です。減衰量はワンクリックあたり-2dBとして-42dBまで調整可能です。私の用途では十分且つ最適な調整範囲です。この抵抗割り当てですがフリーソフトがネット上に転がってますので大変楽にできました。計算上の理想値と、実際に売っている抵抗に置き換えた抵抗値をワンクリックで算出してくれる優れものです。自作される方は活用することをお勧めします。「アッテネータ計算」で検索するとヒットするかと思います。
 使用する抵抗の種類も悩みどころです。一般的な金属皮膜抵抗にするか、カーボン皮膜抵抗にするか、高価な巻き線抵抗にするか・・・ 巻き線抵抗って1本400円強するんですよね(汗) 評判はすこぶる良いようですが・・・・ カーボン抵抗もまろやかな音がして面白そうですが、この抵抗って誤差5%品が普通のため抵抗値を揃えるために大量に買って選別する必要があります。今回は80本近く使用することになるので抵抗1本の単価は結構インパクトあります。今のところはタクマンのオーディオグレードの金属皮膜抵抗が候補です。誤差は1%ですから最低限の本数を買えばこと足ります。アキバの千石で一本20円ですので2000円弱で揃いますね。
 T型アッテネータって片チャンネルあたり常時2本の抵抗しか通電しないので抵抗の差は大きく出ないと考えてます。大体にして私のオーディオ機器はスピーカー以外全て自作ですのでボリューム部だけ高価な抵抗使ってもあまり意味が無いと思ってます。カーボン抵抗のまろやかな音が良いなら別の部分の1箇所を変更すれば同じことです。以前、DACを自作する際にカーボン抵抗を多用して作ったことがありますが、いっぱい使うとまろやか過ぎて伸びたラーメン食べているような感覚になったことがあります。音質の調整は必要なら様子を見ながら他ですこしずつやります。

 前回作ったアッテネータが音質的にも実用的にも困ってないので焦らずのんびり作ろうかな。アキバで色々買出しをしてきたのでしばらくは自作ネタに困りませんので・・・ このあたりのこともまたおいおい紹介します。

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